東京都不健全図書指定に対して送った反対意見メールの実例 その1
私は2016年11月から東京都青少年健全育成審議会という東京都の不健全図書を決める会議の傍聴をしているのですが、青少年・治安対策本部(現在の都民安全推進本部)にメールで意見を送ったこともあります。
記事を何回かに分けて、私が送ったメールをいくつか紹介しようと思います。
今回は、まず1件目のメールを。
メールを紹介する前に、私と不健全図書のおつきあいを簡単に説明します。
2010年の東京都青少年健全育成条例改正騒動がきっかけで、不健全図書指定による表現規制問題に関心を持つ。
2012年に当時の東京都議会議員・あさの克彦さんの都政報告会(メインは青少年健全育成審議会の話だった)に参加している。
2014年5月、新基準適用の不健全図書第1号となった「妹ぱらだいす!2 お兄ちゃんと妹のも~っと!エッチしまくりな毎日」が、私が現物確認のため買った最初の不健全図書。新基準適用の不健全図書は3冊とも買って持っている。
2016年11月から青少年健全育成審議会が傍聴できると知り、傍聴に行き始める。
以降、2020年2月まで、行かなかったときも(たぶん3回)あるが、ほとんど傍聴に行っている。
以上、私と不健全図書の関係を簡単に説明しました。
●1件目のメール●
2017年7月30日に初めて青少年・治安対策本部あてに送ったメールです。
「おっぱい男子」というBLコミックスを買って中身を確認したところ、これは10代の若い読者向けのストーリーだと思ったので、この本を東京都が不健全図書指定したことに私は納得がいきませんでした。
意見を送ったところでどうせ決定がくつがえるわけはないだろうし、だからこそかえって安心して、こっちは都民なんだから意見を言うぐらい自由でしょ、と思って反対意見のメールを送ることにしたのです。
最初のメールの件名に「都民からの申出」と入っているのは、「都民からの申出」という東京都庁職員に意見を送る制度があると人から教わったので、それをそのまま書いたものです。ただ、「都民からの申出」という名称にこだわる必要は全然なかったようです。
---メールここから
件名:「都民からの申出」ご担当様
2017/7/30, Sun 14:28
5月15日開催、第683回東京都青少年健全育成審議会において
不健全図書に指定されました「おっぱい男子」(作者・浅葉ケントさん)について、
指定に反対である旨、都民として申出をいたします。
作品を読みましたが、内容は中高生向けのストーリーであり、
中高生の読者にとって感動するストーリーだろうと思われます。
東京都の指定により、現在は18歳以上のものであれば読める状態ですが、
18歳以上の読者にとって中高生向けのストーリーというのは、少々ものたりなく、
もう少し大人向けのストーリーを読みたい、と感じる場合もあるかもしれません。
大人には少々ものたりないが、中高生の年代で読めば深く感動する作品というものは
世の中に多くあると思います。私は、この作品もその一つだと思います。
この作品を読んで、感動する青少年、心が救われる青少年がいることでしょう。
東京都が不健全図書指定することにより、青少年がこの作品に触れて感動したり、
心が救われたりする機会を奪ってしまいます。
行政がそのようなことに手を下すとは、本当によいのでしょうか。
疑問を抱かざるを得ません。
以上の理由から、第683回東京都青少年健全育成審議会の答申には反対である旨
申出をいたします。
受理のほど、よろしくお願いいたします。
(住所)
(氏名)
---メールここまで
私のメールの文章は、けっして上手くないと思います。
分かっていて紹介しています。
東京都に送るメールは、こんな程度でも大丈夫なんです。
不健全図書についての意見を送ると、青少年健全育成審議会で報告されます。
2017年9月の第687回青少年健全育成審議会議事録の15ページ以降に私のメールの内容とそれに対する青少年・治安対策本部の考えが出てきます。
(PDF)
議事録に書いてありますが、青少年課からはメールの返信はしないで、私自身が議事録を読んで初めて対応を知るということになっています。
もしメールの返事がほしい場合は「返信ください」と書いておけば、くれると思います。
返信くださいと書かれていたら、無視するわけにいかないので。
ところで私は、都庁にメールを送っても返事は来ないものなんだと思っていたら、ほかの部署に意見を送ったとき、返事をもらえたのでビックリしました。
もしかしたら、意見が届いて、それに対する返事をしない青少年・治安対策本部のほうが特殊なのかもしれません。
今回はこの辺で。