2018年8月25日配信 Voicy 夫婦議員のSay!Easyトーク - 音喜多駿 第4回 より「手話政策と兵庫県明石市の取り組み」文字起こし
「夫婦議員のSay!Easyトーク - 音喜多駿
第4回:なぜ今Voicyなのか?手話政策について」より
「手話政策と兵庫県明石市の取り組み」のパートの文字起こしです。
https://voicy.jp/channel/750/28104
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話者
おときた駿…炎上系ブロガー議員。東京都議会議員(北区選出)。
三次ゆりか…元シングルマザーで元ギャルママ議員。江東区議会議員。
江東区議会議員 「三次ゆりか」 子育て支援 教育改革 行財政改革 社会保障
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おときた駿(以下、駿) ではつづいて、ふたつめのテーマは、政策の話をしたいと思います。
三次ゆりか(以下、ゆりか) はい。
駿 えー、三次ゆりかさんが、先日、兵庫県の明石市に、視察にいってきて。
ゆりか はい。
駿 大変勉強になったということですので。
ゆりか はい。
駿 まずそのご報告というか、話をしてもらいたいと思います。
ゆりか はい。あのー、まだカッコ仮なんですけど、手話議連ていうのを。
駿 手話議連。
ゆりか はい。立ち上げようというメンバーで。
駿 議連ていうのは、ちなみに、議員連盟の略で。
ゆりか 議員の。はい。
駿 議員のチームですね。はい。
ゆりか で、あの、数人で、行ってきたんですけども。
駿 ええ。
駿 ユニバーサル検定?
ゆりか 検定の件と、あとは当事者がいる、やねたに議員と、意見交換会をしてきました。
駿 はい。前提として兵庫県明石市というのは、ひじょうにその、障害者対応、とりわけ聴覚障害者の対応が先進的な市区町村でして。市長もですね、みずから手話検定2級かな、取ってて手話ができるし。
ゆりか あーそうそうそうそう。
駿 実際に聴覚障害者の議員の方も1人、前回の選挙で当選したと。で手話言語コミュニケーション条例という条例をかなり全国の中では最初のほうに作ってですね。
ゆりか そうそう。
駿 こういった聴覚障害者の支援がひじょうに手厚いというのが、兵庫県の明石市なんですね。なのでそこで手話を普及しようという手話議連のメンバーが、視察にいってきたということなんですけど。
ゆりか うん。
駿 具体的にどんな取り組みをしてたんですか、ゆりかさん。明石市は。
ゆりか 具体的に。明石市の職員さんの研修がすごく手厚くて。
駿 うん。うん。
ゆりか ユニバーサルマナー研修とかも、やっていたり。
駿 はい。
ゆりか あと、やっぱりいちばん衝撃的だったのが、われわれが会話してるのは、無料で会話できるけど、聴覚障害者の方は、手話通訳士がいないと、会話が成り立たないと。
駿 うん。
ゆりか その手話通訳士を雇うというか、依頼するのは、聴覚障害者の人たちがしてるから、それってみんながふつうに会話するのに、その人はお金をかかってるのはおかしいでしょということで、明石市は、手話通訳士の職員さんを、本気でやりますっていうことで。年収も600万に設定をして。庁舎内とかもそうですし、やねたに議員が活動するのも全部公費で。全部とは、まではいわないですけど、ほぼ、ほぼほぼ公費。
駿 要はコストがほとんどかからずに聴覚障害者の方の、情報保障っていうんですけど、情報が伝わるようになってるということですね。
ゆりか そういうことですね。
駿 ユニバーサルマナー検定というのはですね、障害者の方にどういうふうに対応すればいいかとかですね、そういうのがけっこう一般の方が分からないので。
ゆりか そうそう。声かけとかね。
駿 そういうのについて。そうですね、視覚障害の方に突然こう、サポートしますってガシッとつかんじゃだめですとか。
ゆりか 「大丈夫ですか」とかいうふうに声かけたら、どんな人でも、「あ、大丈夫です」としか。
駿 漠然と声かけちゃいけないとか。あとは一緒に歩く時は「あと3メートルです」とか、いっぱい声かけましょうとかですね。そういうのをやってくれる研修があるんですけども、そういうのをしっかりやってるということと、今言ったみたく、聴覚障害の方のコミュニケーションコストというのをゼロにしようということをやってるわけですね。
ゆりか いやー。ほんと、すごかった。
駿 ちなみにですね。聴覚障害について基本的な話をすると、みなさん手話って、聴覚障害の方どれくらい理解してるか、何パーセントくらいの方が手話使うって、知ってます?
ゆりか もう…ちょっと前まで、手話使っちゃだめよ的な感じだったんだよね。
駿 ん? 誰が?
ゆりか なんかこう、日本全体が。
駿 日本全体が?
ゆりか 手話を使っちゃだめですっていう感じの教育でしたって、なんか、言ってたよ。
駿 まあ、手話使っちゃだめというか、要は健常者の方に追いつくために、口でこう、読める、読唇術とか、要は聴覚補助器をつけて、なるべく声でしゃべりましょうっていうことを目差してた時期があったんですよ。
ゆりか ふーん。
駿 それもあったのと、結局、結論から言うと、手話っていうのだいたい14%ぐらいですよね、聴覚障害の方が使うのは。
ゆりか うーん。
駿 一般の方々は、まあ情報保障という、聴覚障害者の方といえば手話と思ってるけども、実は80%以上の人は手話分かんなくて、文字とか、字幕とか。
ゆりか 筆談ね。
駿 筆談とかそういうことじゃないとだめと。特に中途失聴といわれる、生まれつき聴覚障害者じゃなくて、途中から聴力がなくなってしまった人は、やっぱ手話ができない方が多いので、手話だけやっても、情報保障というのは完成しないと。
ゆりか うん。
駿 だから明石市は、手話言語条例とかけっこういろんなとこが作って、手話は言語だから普及しましょうってやってるんですけども、「手話言語コミュニケーション条例」という名前にして、コミュニケーションというのは筆談とか、字幕とか、そういうのも入ってるんですよっていう、そういうハイブリッドな条例を作ったっていうのが、けっこう明石市のすごいとこなんですね。
ゆりか うん。いやほんとすごい。
駿 それでね、100%手話だけじゃ、やっぱりね、だめなのでね。いま電話とかでも、字幕がついたりとか。そういういろんなサービスがあるので。
ゆりか うん。
駿 そういうのもね、ほんとに東京都とか、ほかの自治体でもやってかなきゃいけないなというふうに思いますね。
ゆりか これ、しかも、視覚、聴覚に障害のある人たちと、避難訓練を実施してるんですよ。
駿 ええ。
ゆりか これすごいなっていう話が出ましたね。
駿 あー。そうなんですよね。防災、サイレンとかも全く聞こえないですからね、聴覚障害者の方は。だからメールもちゃんと飛ばさなきゃいけないし。逆に視覚障害者の人は音でしか判断できないしっていう。
ゆりか そうそうそう。でも近所の人とかがね、隣にそういう人が住んでるとか分かんないから、ドンドンドン、火事ですよ、とか、ドンドンドン、っていっても。
駿 うん。
ゆりか ねえ。そういった時、どうしたらいいのっていうの、みんなに普及していけば、いいよね。
駿 そうなんですよね。実際、訓練しないと分かんないですから、そういうのはね。
ゆりか 分かんない。
駿 それは、でも、すばらしい取り組みですね。
ゆりか いやほんとすばらしいと思ったし、あとは、その、ユニバーサル検定。
駿 うん。マナー検定?
ゆりか うん。30人、集めれば、出張して教えてくれるんだって。
駿 要は企業とかでも、無料で受けられるってことか。
ゆりか そうそうそう。あ、無料じゃないんだよね。3級はね、5千円つったかな。
駿 へー。
ゆりか で、2級はちょっと高くて、1万円とか、まあそんな感じだったかと思います。
駿 市が率先して、そういう研修を、みんなで受けましょうっていうことをやってるわけですねー。
ゆりか そうそうそう。すっごい、いいなあと思いましたよー。明石市。
駿 明石市はね、ほんと、差別を解消する条例とか、もうほんとに障害者に対して、すごくコミットメントしていて。
ゆりか うん。
駿 差別をなくそうという。やっぱ市長がね、もともと弁護士さんで。
ゆりか うん。
駿 家族の方にもたしか障害をお持ちの、障害者の方がいて。
ゆりか うんうん。
駿 そういったこともあってね、ひじょうに熱意を持って取り組んでいるので。やっぱ市長がかわるとほんとに、自治体って変わるんだなってことの典型的な例のひとつですね。
ゆりか ねえ。でも、やねたに議員さんもいて、それも変わったことも多かったっていうお話を聞きましたよ。
駿 ああそうですね。当事者の議員が1人いるかどうか。あの、ひじょうに、議会って議事録を残すっていうのがひじょうに大事で。音声をこう、みんなペーパー読んでんですけども、あんなのべつに、内容分かってんだから読まなくてもいいじゃんってみんな言うんですけども、やっぱこう議場でしゃべって、その言葉が残るっていうことが大事なんですよね。
ゆりか うん。
駿 だから基本的にその障害者、聴覚障害とか、しゃべれない人がいるってことが、もう前提とされてなくて。
ゆりか うんうん。
駿 しゃべりが重要、しゃべらないとなかったことになるっていうのが議会なので、そこにやっぱり、ね、お話ができない方が出るっていうのは、その概念を根底からくつがえさなきゃいけないわけですから。
ゆりか 手話通訳士をちゃんとそこに。
駿 うん。ちなみに、わが北区も3年前に筆談ホステスという、聴覚障害の議員さんが誕生しましたんで。コンピュータの持ち込みもできるようになりましたし。
ゆりか うん。そうそう。
駿 音声読み上げソフトで質問ができるようになったので。
ゆりか やっぱ当事者がいるからね。変わりますよね。
駿 やっぱ一気に変わりますからね。一瞬で。
ゆりか うん。
駿 ま、なんでね、今、障害をお持ちの方、障害者の方って、たぶん5%くらいかな、全体で。でも議員の中では0.0何パーセントしかいなくて。
ゆりか うん。
駿 でも比率から考えたら、もっと当事者の方っていうのが、政治の世界に来ていただいてですね。
ゆりか うん。
駿 意見を発信してほしいなって思いますよね。
ゆりか 思いますね。
駿 うん。まああの、2020年もパラリンピックも東京都はひかえておりますので。
ゆりか はい。
駿 そこに向けて、明石市に負けないように、追いついてですね。
ゆりか そうですね。
駿 もうね今回、秋の制定される条例で、こないだ制定された条例で、いちおう手話っていうのは入ったんですけどもね。
ゆりか うん。
駿 まだまだちょっと明石市に比べると、ちょっとね内容が不十分なので、それもぜひブラッシュアップしていきたいなと、思っております。
ゆりか なんかさ、その、手話っていうと、聴覚障害者の人たちのための、言語みたいな感じな風潮じゃないですか。まずそういう第一歩っていいかもしんないけど。
駿 うん。
ゆりか やっぱ、ゆくゆくは、手話ってべつに、健常者同士でも、できて、なんていうんだろ子供たち同士でも、なんかこう遠くにいても、手話をして、あーそういう感じねオッケー、みたいなのになれば、ちょっと、手話通訳士さんたちの職業はなくなっちゃうかもしれないけど、どんなときでも、こう、すわ、しゅわ、ちゅ、ちゅ(笑)
駿 (笑)手話通訳。
ゆりか 通訳士を、呼んだりするとか手間をね、省けたりして、全員が手話ができたらすごくいいなと。
駿 それはね。もっと進めると、日本語の手話って日本語しか通じなくて。ブリティッシュイングリッシュ手話とか。あれを統一して、全世界の人が一個の手話覚えれば。
ゆりか まあね。
駿 けっこう、全ての問題が解決していくっていう、そういう見果てぬ夢はあったりするんですけどね。
ゆりか 赤ちゃんとのね、ファーストサインとかもあるよね。
駿 ハンドサインとかね。あれはねー、ほんと、やっぱ手話って勉強すると分かるんですけど、けっこう、みんながペコっておじぎするとか、なんかそういうのに合わせてるから、やっぱ文化に根づいてるんですよね。
ゆりか たしかに。
駿 だからなかなかこう世界統一言語の手話作るって、そうとうハードルは高いと思うんですけども。
ゆりか 関東と関西でも違うっていうよね。
駿 そういうのもあるのでね。ちなみに手話は言語であるって話もまた奥が深いんですけども、これはちょっと今日は時間がなくなってしまったので。
ゆりか はい。
駿 また後日、ぜひ取り上げてみたいと思いますので。
ゆりか はい。
駿 みなさんもこれをきっかけに手話や聴覚障害者の情報保障、そういったところに興味を持ってもらえると、うれしいです。
ゆりか はい。